「絵本を読んであげたいのに、うちの子、全然座って聞いてくれない…」
読み聞かせが大事なのは知ってるからこそ、逃げていくわが子を見ると落ち込みますよね。でも、保育士として先にお伝えしたいことがあります。
座って聞けないのは、絵本が嫌いだからではありません。そして、座って聞くことは読み聞かせのゴールでもありません。保育園には座って聞けない子がたくさんいますが、みんなちゃんと絵本を楽しめるようになります。この記事では、保育の現場で実際にやっている工夫を7つ紹介しますね。
工夫1:「座らせること」を目標にしない
いちばん大事な発想の転換です。歩き回りながらでも、背中を向けていても、子どもの耳はちゃんと聞いています。「聞いてないな」と思ったのに、後日絵本のフレーズを突然言い出してびっくりする…保育士なら誰でも経験があります。まずは「最後まで座って聞かせなきゃ」を手放しましょう。それだけで読む側の気持ちがラクになって、その余裕が子どもにも伝わります。
工夫2:1ページ目から読まない・全部読まない
絵本は最初から最後まで読むもの、と思っていませんか?動きたい時期の子には、子どもが反応したページだけで十分です。途中のページから始めてもいいし、1冊を3ページで切り上げてもOK。「絵本=楽しい時間」の貯金を作ることが先で、通して読めるのはその後です。
工夫3:「参加できる絵本」を選ぶ
じっと「聞く」のが苦手な子も、「やる」ことなら大好きです。ページをめくる係をお願いする、絵を指差してもらう、「どこにいるかな?」と探してもらう。触ったり答えたりできる絵本なら、動きたいエネルギーがそのまま絵本に向かいます。
工夫4:読むテンポを子どもに合わせる
文章どおりに読む必要はありません。ページをどんどんめくりたがる子には、めくるスピードに合わせて一言ずつ。「わんわんいたね」「おいしそう」くらいでいいんです。大人が文章を読み切るより、子どものテンポに乗る方が、絵本の世界にはずっと長くいられます。
工夫5:時間帯を変えてみる
元気いっぱいの時間に読み聞かせをするのは、実は上級者向けです。おすすめは体の動きが自然に落ち着く時間帯。寝る前、お風呂上がり、おやつの後など。保育園でも、お昼寝前がいちばん絵本に集中できる時間です。寝る前の流れに組み込む方法は、寝る前5分ルーティンの記事で詳しく紹介しています。
工夫6:短い絵本・繰り返しの絵本から始める
座っていられない子に長いお話は、大人でいうと興味のない2時間の会議みたいなもの。まずは1ページの文字が少ない絵本、同じフレーズが繰り返される絵本から。「知ってる!」「次はこうなる!」という見通しが持てると、子どもは安心して絵本の前に留まれるようになります。発達がゆっくりな子・グレーゾーンの子向けの選び方はおすすめ絵本12冊の記事にまとめています。
工夫7:動画の読み聞かせを「入口」に使うのもアリ
「動画に頼るのは罪悪感が…」という声をよく聞きますが、絵本の世界への入口としてなら立派な味方です。動画で絵本の内容を知ってから紙の絵本を見ると、「知ってるお話だ!」と食いつきが変わります。私が作った自作絵本の読み聞かせ動画(無料)は1〜2分と短いので、はじめの一歩にちょうどいいですよ。
まとめ:絵本嫌いな子はいない
7つの工夫、まとめます。①座らせない ②全部読まない ③参加型を選ぶ ④テンポを合わせる ⑤時間帯を変える ⑥短い絵本から ⑦動画を入口に。
保育士として何百人もの子どもと絵本を読んできて思うのは、絵本嫌いな子はいない、合う読み方にまだ出会っていないだけということ。今日の1ページが、いつか「もっかい読んで!」に変わりますように。


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